外壁塗装はなぜあんなに費用がかかるのか、外壁塗装の手順を見てみれば理解できるかもしれません。
1.周囲の足場組み建て
家の周囲を囲むように作業足場を組み立てます。
高さは軒高以上です。周囲に汚れが飛び散らないように、また、工具を落としたときに外部に危害を及ぼさないようにネットを張ります。
2.マスキング
作業で汚れるといけない箇所にテープとビニルでマスキングをします。窓サッシ、換気扇、換気口、エアコンの室外機、エアコンのパイプ、雨どいなどを覆います。工事期間中は換気扇が使えません。
3.下地処理
外壁全体の塗装を高圧洗浄して汚れを落とし、カビや黒い汚れを取り除きます。
チョーキングが出ているところは、特に念入りに行います。金属部分はケレン作業で汚れやさびを落とします。下地処理の出来が塗装の出来を左右する重要な作業です。
4.下塗り
外壁を洗浄して48時間以上十分に乾燥させたら下塗りです。
ツヤがなくなった古い外壁は、「カチオンシーラー」という浸透力が高く、上塗り塗料との食いつきが良い塗料を下塗りに使う場合が多いです。
下塗り塗料は、サイディングに上塗り塗料が良く喰いつくようにするためのものです。
水性塗料をローラーで塗るのが一般的です。ローラーでは塗れないところは刷毛で手塗りします。
水性といっても塗料がデッキについたりすると色が取れませんから注意が必要です。
5.中塗り・上塗り
塗料の乾燥時間は春から秋にかけては約2時間です。
下塗りが十分に乾燥したら中塗りと上塗りを行います。中塗りと上塗りは同じ塗料を使います。
これも水性塗料を使いローラーで塗ります。ローラーで塗れないところは刷毛で手塗りするのも同じです。
6.目地のシーリングの取り換え
サイディングの継ぎ目にはシーリング(コーキング)が施されています。
これもひび割れて劣化するので、古いものを取り去り、新しい材料でやり直します。交換が基本ですが、古いシーリングの上からシーリング剤を詰める場合もあります。
新しいコーキングの上に塗料が載らないことが原則です。打ち替え後しばらくは、コーキングの可塑剤がしみだしてきて、塗膜が剥げてしまうからです。
塗装の前にシーリング材を打つ「先打ち」の場合は、これに対する配慮が必要です。
先打ちのメリットは、シーリング材の上に塗られた塗料が保護の役目を果たし、劣化を遅らせてくれますし、塗料によってシーリングが同じ色になるため打った場所が目立ちにくくなります。
塗装を塗った後にシーリング材を打つ場合は「後打ち」と呼ばれ、シーリング材の収縮や膨張が塗膜に伝わらないため塗装のひび割れができにくいですが、紫外線の影響を受けてシーリング材の劣化が早くなります。
シーリング材は塗装より早く劣化するため、途中で増し打ちする場合は塗装後にシーリングをするほうがやりやすいです。
7.仕上げ
ローラでは塗れない細部は手塗りで仕上げます。金属部分は金属用の塗料で手塗りします。塗り残しがないか十分に確認して、よければマスキングの撤去、最後に足場の撤去を行って完成です。
大まかな手順は以上のとおりです。
屋根塗装も同時に行うときは、屋根から取り掛かり、屋根が終わったら外壁にかかります。
天候が良ければ約2~3週間で完成です。職人さんは何か所もの現場をかけもちしているのが普通なので、ずっと現場にかかりっきりになれないこともあります。
車の傷を塗装するだけでも5万円とか10万円は普通にかかりますから、家を1件塗装しなおして100万円以上かかるのも無理はありませんね。
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