全国で大きな地震が発生し、今まで大きな地震が発生しなかったところでも突然の地震に驚くことがあります。
住宅の耐震構造は「旧耐震基準」「新耐震基準」「2000年耐震基準」と3段階あります。これは構造を剛構造にして震度5から7の地震で住宅が倒壊しないようにするものです。
詳しくは当サイトの次のページをご覧ください。
構造を強い構造にして耐震性を高めることはとても重要なことです。
ただ、これからは耐震構造に加えて、木造住宅にも比較的簡単に取り入れられる「制震構造」が主流になっていくと予想できます。
簡単に言うと、要所要所に制震ダンパーを取り付けて、地震の際の揺れをできるだけ吸収して建物の損傷を小さくしようとするものです。
大きな建物では以前から設けられています。次のようなものです。1箇所だけではなく要所要所に設置されます。
これを住宅用にしたのが多くのリフォームチラシで散見できるようになりました。次はオイルダンパーです。トキワシステムの制震ダンパーです。
このような制震ダンパーを1階の4面の要所要所に取り付けることで、地震の際の揺れを軽減させる働きがあります。
次はフクビ化学から販売されている制震ダンパーです。「高減衰ゴム」を使用しています。
自動車で言えばショックアブソーバーに該当します。
※制震ダンパーには色々な形態があります。上記画像のオイルダンパーは大きな揺れにはあまり適さないとされ、今の時点では粘弾性ダンパーと言われる大きな揺れに対応できるものが適しているようです。
問題は、壁を撤去して柱や梁に取り付けるため、個人の住宅では大きな工事になることで、耐震改修やリフォームなどに合わせて工事をするのが一般的です。
この場合は、平均的に150万円ほどの費用がかかるとされています。
一番いいのは新築時に制震ダンパーを付けてしまうことで、これなら50万円前後の費用でできるようです。
制震ダンパーを取り付けることの意味は、ガッチリとした耐震構造であっても、震度6強や震度7の大きな地震では、柱と梁などの接続部分にガタが生じて結合が弱くなり、1度は耐えても2度、3度と大きな揺れが来ると倒壊の恐れがあるのを防ぐためです。
免震構造というのもありますが、揺れに応じて住宅を前後左右に自由に動くことができる構造であったり、大きな建物では巨大なスプリングで建物を支えるのが一般的です。
これらはさらに大きな費用がかかりますので、住宅ではあまり一般的ではありません。
耐震:基礎をベタ基礎などにし、柱には筋交いを入れ、柱と梁などの接続には構造金物を使うなど、ガッチリした剛構造にするもの。
制震:揺れを吸収するダンパーなどを取り付けて、揺れ自体をできるだけ抑える構造にするもの。
免震:住宅を基礎から浮かして揺れそのものが建物に伝わりにくくするもの。
この中では免震構造が一番効果が大きいのですが費用も大きなものになります。
住宅では、すでに法律で定められている2000年耐震構造に加えて、制震ダンパーを取り付ける方法がこれからの標準施工になっていくと思われます。
コメント