外壁に使われる窯業系サイディングボードは、何もしなくても耐用年数が約30年とされています。
耐用年数がすぎれば塗装ではだめで張り替えが必要です。個体差もかなりありますし、環境の影響もかなり受けます。
サイディングボードは窯業系(セメントを木繊維などで補強)が一般的で、表面に防水塗装が施されています。
この最初に塗装されている防水塗装の耐用年数が、10年から12年程度と短いのです。
指先で外壁をこすってみてください。汚れとは違う白い粉が付きませんか。これはチョーキング現象と呼ばれるもので、防水塗装の劣化が始まったサインです。
塗料の顔料が紫外線などで分解され、白い粉となって付いたものです。
おおむね新築後10年程度で、この防水塗装の劣化が始まります。
塗装の劣化なので今すぐに雨漏りするとかいうことはありません。防水塗装の劣化がはじまりましたという、メンテナンスをする時期に来ているサインなのです。
ここで外壁塗装することで、耐用年数が約10年伸びるとされています。
つまり、新築時から見て耐用年数は40年になるということです。
・サイディングは何もメンテナンスしなくても耐用年数は約30年
・新築から10年で塗装し直せば、耐用年数は10年伸びる。
サイディングを長持ちさせるために定期的なメンテナンスが効果的です。
外壁塗装か外壁の張替えか どちらを選択したら良いか
新築後15年以内で外壁に剥がれなどの傷みがない場合は、外壁塗装がおすすめです。塗料は15年ほどの耐用年数のあるものが良いと思います。
外壁に剥がれなどの傷みが多くある場合は、張り替えになると思います。サイディングの傷みは塗装では直りません。
塗装ができるところは塗装で、張替えが必要な面は張替えでという方法もあります。
10年ぐらいはすぐに経ってしまいますから、塗料は15年以上の耐用年数をおすすめします。
10年以内にご自宅を買い替えや建て替えの計画の方は、あえてシリコン系の耐用年数10年ほどの塗料を選択するのもありです。費用も多少安くすみます。
年齢にもよりますが、新築後20年以上経っていて、住んでいる方が60代以上の高齢の場合は、外壁の張り替えを行い、以後はメンテナンスしない方法がおすすめです。
張替えで一般的なのは、既存のサイディングの上に新しい金属サイディングを張る工法です。カバー工法と言われ、工期が短くてすみますし、新築のようにきれいになります。
なお、サイディングの上にサイディングを張るカバー工法は、内部に湿気がたまり、カビの発生やシロアリの発生した実例が多くあるとのことで、湿気対策がどうしても必要です。
そのような知識や工法をとれる業者に施工してもらうことが大事です。
外壁塗装の内容は
定期的なメンテナンスとしての外壁塗装は次のことを行います。
1.防水塗装をやり直すこと
2.サイディングの継ぎ目のシーリングをやり直すこと
3.外壁の軽微な傷みを補修すること
4.屋根裏の軒天や破風板を塗装すること
特に重要なのは1と2です。
最近は耐用年数が15年以上もある塗料が出てきましたので、ぜひこれらを使いましょう。
これらはフッ素系塗料やセラミック配合塗料といった名称です。これらを活用するとトータルコストが安く済みます。
なお、環境の差やサイディングやスレート屋根にも個体差があるため、同じサイディングやスレート屋根でも、年数が経過しているにもかかわらずきれいな状態を保っているものもあれば、新築後10年以内なのに傷みが目立つ家もあります。
外壁塗装に適した季節は
外壁塗装は、最低気温が5℃を超える4月ごろから11月ごろまでが工事に適した時期です。それは、一般的に塗料の塗装条件が気温5℃以上となっているためです。
3月から4月になると多くの外壁塗装工事が始まるのはこのためです。
新築後15年もすると、どうしても傷みが目立ってきます。外壁塗装や屋根塗装は、傷んだところを補修してから行うので、一緒にすれば個別に修理するより金額的にも節約になります。
外壁塗装とあわせて屋根塗装は状況次第で行う
実は、一番傷みが進みやすいのが屋根です。
かわら屋根やガルバリウム鋼板張りの屋根は大丈夫ですが、スレート葺きの屋根は見てわかるくらいに塗装が剥がれてきています。
変色は苔と思われます。棟の付近には若干の浮き上がりも見られます。
これでも下地には防水シートが敷かれているので雨漏りすることはまずありませんし、スレート屋根も耐用年数が30年ありますから、防水性能としては大丈夫です。
ただ、メンテナンスをすると数年は耐用年数が伸びるので、このようなときは外壁塗装と合わせて屋根塗装をおすすめします。
屋根塗装も外壁塗装もやることは同じなので、足場を組めば両方を一緒にする方が効率的で費用も別々にするよりは安くすみます。
傷みがひどい場合は屋根の張替えが必要になってきます。スレート屋根は軽いので既存の屋根の上に新しいスレート屋根や金属屋根を張ることができます。
瓦屋根にするのはスレート屋根より重量が格段に重いため、住宅の構造次第です。大工さんに相談したほうが良いです。
新築後、一生の間にどんなメンテナンスが必要か、こちらのページもご確認ください。
飛び込み営業の業者には注意
外壁塗装は、今では一般的な工事になりました。よくチラシが入っていたりします。それでも悪質な業者は今でもいます。
最近は外壁塗装も高くなりました。普通の100㎡から120㎡の住宅の場合、外壁塗装の見積もりは耐久性の良い塗料を使ったとして130万円~150万円前後します。
でも外壁塗装だけの見積もりが200万円というのは、明らかに高すぎます。
また、今日限りで200万円のところを150万円にしますなどと言って契約を急がせる業者は、まともな業者とは思えませんから契約をしてはなりません。
信用のある良い業者は飛び込み営業などしなくても、口コミで注文が入ってくるものです。
悪質な業者は施工も手抜きで、3年もすれば塗装が剥がれてきたりします。でも、クレームには一切応じてくれず、それどころか、連絡が取れなくなることさえあります。
まずは、評判がよくて技術力のある業者を選びましょう。
見積もりは安いだけでなく優良業者で
見積もりを比較して、安いところに頼みましょうとよく言われますが、一番大事なのは職人さんの技術や知識です。
費用は安かったけど3年で塗装が剥がれてきたという事例も多くあります。多くは下地処理の手抜きと塗料の選定ミスです。安くて技術力の高い工事業者を探すことが最良です。
今は、セラミック系の塗料やフッ素樹脂系の塗料など、耐用年数が15年以上の塗料を使うことが一般的になってきました。
さすがにウレタン系の塗料(耐用年数 約7年)を使う業者はいなくなりましたが、まだシリコン系の塗料(耐用年数 約10年)を使う業者はいます。
10年後には外壁を張り替えるからといった計画があるのなら別ですが、新築後の最初の外壁塗装は耐用年数の長いものがおすすめです。
塗料の耐用年数と費用を丁寧に説明してくれる業者なら信頼できますね。
外壁塗装にも費用の相場というものがあります。見積もりをとったときは、相場とかけ離れた金額ではないかを注意してみましょう。
相場のページもご覧ください。
優良業者の探し方
外壁塗装・屋根塗装また、外壁の貼替・屋根の葺き替えを検討したら、実績のある業者に相談して見積もりを取るという段取りになります。
ここで多くの方はハタと困ってしまいます。
どの業者に相談すればいいのか思いつかないからです。
優良業者紹介サービスは、塗装業者ではなく第三者的立場で相談窓口を持ち、ユーザーのニーズに沿った優良業者を無料で紹介してもらえるサービスです。
その方が失敗がないと思われます。
優良な外壁塗装業者を紹介してくれるサービスの一つに「ヌリカエ」があります。このサービスは、あなたのお住まいの地域にある優良業者を紹介してくれるものです。
ヌリカエでは、口コミの良い業者をさらに厳しい目で選別して登録していることで、優良業者だけを紹介してくれるシステムです。
また、「外壁塗装の窓口」というサイトでは、全国の優良業者の中から自社の登録業者を公開しています。
次のページに詳しく書いてありますのでご覧ください。
先にも書きましたが、訪問営業によるセールスだけは避けたほうが無難です。特に、初めて聞く業者で今すぐに契約を迫るような業者は、きっちりとお断りした方が後で後悔しません。
訪問営業がすべてダメというわけではありませんが、悪質な業者にはくれぐれも注意しましょう。
業者の住所をGoogleストリートビューで確かめましょう。現地に行かなくても所在地の建物の画像を見ることができますから、外観からどんな会社かすぐに分かります。
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