窯業系サイディングか金属サイディングかというのを時々見ます。
最近見た広告ですが、これを見てください。
「金属サイディングだと半永久的にメンテナンスがほとんど不要。ランニングコストがかからない。」と書かれています。
窯業系サイディングの塗装だと2回までできるけど、3回目は張り替えになると書かれています。
最初から金属サイディングにしていれば、ずっとランニングコストがかからないとは。本当でしょうか。
メンテナンスの頻度
一般的に窯業系サイディングの耐用年数は30年、金属サイディングであるガルバリウム鋼板の耐用年数は40年と言われるのが上記の広告の根拠と思われます。
【窯業系サイディングの場合】
窯業系サイディングの塗装は、何もメンテナンスをしなければ確実に傷んできます。
でも、見た目の傷みを問題にしなければ、耐用年数30年まで塗装しないで放置でも雨漏りすることはまずありません。
それは下地として防水シートが外壁全体に張り巡らされているためです。
ただ、築後10年目のサイディングに塗装することで、耐用年数は10年伸びると言われますから、10年目の外壁塗装はされることを強くおすすめします。
これにより新築時から見ればサイディングの耐用年数は40年になるわけで、金属サイディングと変わらなくなります。
【金属サイディングの場合】
一方、金属サイディングの方も、建材屋さんの常識では、金属サイディングだからと言って、永久にメンテナンスフリーにはならないと言います。
金属サイディングは、アルミとガルバリウム鋼板の2種類があります。アルミは錆びないという広告を見ますが、あれは誤解を生じます。
アルミは風雨により酸化されて腐食します。素材自体が弱いので、とがったものが当たれば穴が開きます。
この点ではガルバリウム鋼板の方が耐久性の点では優れているように思います。ただし、きれいに塗装されているので、この塗装は年数の経過とともに劣化していきます。
見た目を気にしなければ金属サイディングに塗装のし直しは必要ありません。
劣化の具合を見ながら、場合によっては腐食箇所の補修が必要になるかもしれません。
結果として、窯業系サイディングの場合は、10年目の塗装を行うことで耐用年数が約10年伸びて、金属サイディングと耐用年数では変わらなくなります。
見た目を考えなければ窯業系サイディングも塗装しなおさずに放置でも構いません。
金属サイディングと違う点は、窯業系サイディングは個体差が大きいので、築数年でところどころ剥げてくるサイディングも多々ある一方で、築20年しても原型を保っているサイディングもある点です。
見た目の悪さを放置という極論から言えば、上記のチラシのような価格差にはなりませんが、窯業系サイディングは剥げてくると見た目がとても悪くなるので、どうしても塗装し直そうということになります。
一般論で言うと、窯業系サイディングは2回程度の外壁塗装は必要になるでしょう。
メンテナンスの容易さという点では、金属サイディングの方が、今の時点ではメンテナンス費用もかからず確かに優れているように思います。
耐久性があるのは窯業系サイディングより金属サイディング
これから家を建てる方は、ガルバリウム鋼板張りの方が、窯業系サイディングよりもメンテナンスの点ではおすすめです。
アルミは、薄い素材だと腐食と強度の点でやや心配です。もう少し実績を見た方が良いかもしれません。
金属サイディングは窯業系より傷みが格段に少なく、定期的な塗装も必要なく、窯業系サイディングに比べればほとんどメンテナンスは不要と言えるかもしれません。
ただ、窯業系サイディングにも優れている点があります。
それは、デザインや色がとても豊富な点です。これは金属サイディングではデザインも単調になり色も限られたものしかないので、窯業系サイディングならではのメリットです。
デザインや色を好みのものにしたいなら、ある程度のメンテナンスは承知の上で、窯業系サイディングが適しています。
そして、年数が経過して張り替え時期に来た場合は、窯業系サイディングをガルバリウム鋼板に張り替えるというのは良い選択だと思います。
今貼ってあるサイディングの上に貼り重ねる方法なら、撤去が不要なので工期の短縮にもなり、費用面でも撤去・廃棄費用がいらないので有利だと思います。
コメント