外壁塗装は100万円前後の費用が掛かりますから、DIYで外壁塗装に挑戦しようと思っている方に向けに、本格的なDIYの方法を書き記したいと思います。
本格的な外壁塗装とは、業者が施工したような10年保証が得られるような仕上がりのことを言いますが、DIYで10年は難しいですので、5年を目指す方法をご紹介します。
外壁塗装の工程は次のようになります。
1.家の周囲に足場を組む。
2.高圧洗浄機で外壁の汚れを落とす。
3.窓サッシの枠など塗料がついてはいけないとことをマスキングする。
4.下塗りと乾燥
5.中塗りと乾燥
6.仕上げ塗りと乾燥
7.サイディングのコーキング部の両側をマスキング。
8.すべてのコーキングを補修する。
9.ついでに傷んでいる雨どいなどを補修する。
10.足場の撤去。
平屋の住宅でない限り、DIYでも足場組みは必須です
DIYをする場合でも、足場組みだけは外注しましょう。足場屋さんに依頼して、プロに足場を組んでもらいましょう。ネットもかけてもらうと良いです。
はしごだけで作業しようと思っているのなら、止めた方が良いです。
高所での作業になるので万一転落したら危ないですし、しょっちゅう移動するのは大変な労力です。作業環境は効率を最優先に考えてください。
足場を業者に依頼すると、1㎡あたり1,000円前後なので、110㎡前後の住宅なら足場面積で160㎡ぐらいになると思いますから、16万円前後かかると思います。
DIYなので借用期限は1カ月では足りないかもしれません。場合によっては延長料金が必要になるかもしれません。もちろん見積もりは複数業者からとって比較しましょう。
窓などのマスキングと塗料
マスキングのやり方で仕上がりが左右します。それほど重要な部分なので、キッチリと行いましょう。
市販の塗装用マスキングテープは、幅が12mm・15mm・18mm・24mm・30mm・40mm・50mmと各種あり、長さは20m前後が一般的です。
幅20mm前後のものを10本は必要と思います。
よく見かける青い紙製のマスキングテープで十分です。ただし、必ずマスキングテープと表示してあるものを購入しましょう。楽に剥がれますから。
普通の粘着テープだと、剥がす時に剥がれずテープが残ってしまうと大変です。ガムテープなどは剥がれないため絶対に使用しないようにしましょう。
高圧洗浄も必要です。高圧洗浄機をお持ちの方は手持ちのものが使えます。
お持ちでない方はレンタルで借りるか、車の洗車ブラシを使って洗剤を使用して手作業で洗い流します。
塗料が一番高価です。
DIYとはいえ、高耐久性をねらうとなると、できれば水性のフッ素系塗料を使いたいですね。DIYの場合は取り扱いの容易さから、水性塗料が適しています。
下塗り塗料
下塗りは、カチオンシーラーが一番適しています。カチオンシーラーは古い外壁によく染み込んで固く補強する効果もありますし、これから塗る塗料の食いつきをよくするためには必須です。
フィーラーは、やや塗膜に厚みがあって、ひび割れ部などを埋める役割があります。どちらを使うかは、外壁の状態によって使い分けてもいいです。
下塗りは1回です。乾燥時間は夏場で約2時間です。外壁一面で3リットルから4リットルが必要なので、4面なら12リットルから16リットルが必要です。価格は16kg入り8千円ぐらいからあります。
中塗り塗料
中塗りは仕上げ塗りと同じものを使用します。ローラーや刷毛を併用して塗り残しがないようにきれいに塗って行きます。塗料は粘度を確かめながら、適度に薄めて使用します。
中塗りは1回塗りです。こちらも乾燥時間は夏場で約2時間程度ですが、一気にやろうとしないで、仕上げ塗りは次の日にしましょう。
外壁1面で約3リットル必要ですから4面で約12リットルとすると、価格は水性のフッ素系塗料だと15kg入り1缶6万円前後します。仕上げ塗りと合わせて2缶約12万円ほど必要です。
仕上げ塗り塗料
中塗り塗料と同じものを使用します。
塗料代は下塗り、中塗り、仕上げ塗りの合計で約13万円とかなり高額なものになります。安さをねらうのならシリコン系塗料ならもっと安いですが、かける労力は同じなので、耐久性のある塗料を使いたいですね。実際の塗装工事でも、ほとんどは足場代と塗料代で約6割の金額を占めますから。
つなぎ目のコーキングは必須です
サイディングのつなぎ目にはコーキング(防水)が施されています。これが経年で劣化し、ひび割れしていると雨水が内部に染み込んでしまいます。
外壁塗装にあわせてコーキングの補修は必ず行いましょう。
コーキングの両側にマスキングテープを貼って、既存のコーキングの上から重ね塗りするのが簡単です。
コーキングには「変性シリコンシーラント」を使います。1本500円前後です。1本で約10m施工できます。
プロのようにきれいに仕上げるのは困難ですので、ていねいを心がけてやっていきましょう。
ここまでで、足場代約16万円、塗料代約13万円、コーキング代約5,000円で合計30万円近くになります。
DIYは日数をかけてやりましょう
1週間でやろうなんて、土台無理な話です。高圧洗浄と乾燥で1日。マスキングにも1日かかるでしょう。これで土日の2日がつぶれます。
全体の下塗りだけでも、頑張って1日2面したとすれば、全体で土日の2日はかかるでしょう。
中塗りにも土日の2日程度、仕上げ塗りにも土日の2日程度をみて、天気が良かったとしても、ここまでで4週間はかかります。
天候に左右されるので、実際にはもう少し長く見ておいた方が良いと思います。
意外と時間がかかるのがマスキング作業です。
塗装前のマスキングでも最低1日程度、コーキングのマスキング作業も1日程度かかります。細かい作業で神経も使うし疲れます。
足場を2カ月間借りることにすれば、全工程を2カ月以内に終える必要があります。
実際の話、きちんとしようとすれば興味だけでできるものではありません。
それなりの費用と計画性、相応の技術と何よりも忍耐が必要です。成し遂げることができた方には心から拍手を送りたいと思います。
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